浮遊

海に浮かび雪に遊び岩にはりつく、ものづくり人間のまいにち

3回忌  

ばあちゃんの3回忌を5月7日に行った。
ずいぶん早いものだ。
今でもたまに、野菜などを買いに来るお客さんが、『おばあちゃんは?』と尋ねてくることがある。よく縁側にいて、野菜の番をしてくれてたからなぁ。

朝から雨で、やっぱり雨女だなーばあちゃんは、なんて。妙に納得。

寂しいかもしれないけど、まだリッキー(犬)はそっちに連れて行かないでね。

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命日  

14日はばあちゃんの発ち日。つまり命日だった。

先週の日曜に一周忌の法事を終えたのもあり、当日の朝すっかり忘れていた。
いつものように仏壇の線香をあげて手を合わせる。

夕方になって気付き、急いで花とモンブランを買う。

こうやって悲しみは薄れていくのだなぁ。さみしく苦笑してしまった。


所詮人間は自分のことだけがかわいいのだ。生きている者が中心の世界。
けれど、死者への敬意や追悼の気持ちは日本人の美しい心だと思う。
それは忘れてはならないと思っている。

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一周忌  

今日はばあちゃんの一周忌だった。
雨女のばあちゃんには珍しくとても爽やかな晴天だった。

もう一年が経つんだねぇ。ばあちゃん元気にしてる?
ばあちゃんがこわごわ抱いたアヤカは大きくなったよ。
マイケルジャクソンのDVDが大好きで真似するんだ。かわいいよ。

フキを束ねるのにワラを使ってやるけど、やっぱりばあちゃんのほうが上手いや。
田植えは6月になりそう。あの田圃は周りが早いから焦るよね。

山好きのじいちゃんの弟さんによろしく言っといて。
いつも守ってくれてありがとうって。

家族みんなが仲良く健康でいれるように見守っていてください。
頼んだよ。

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七七日  

四十九日と書くのは語呂が悪いから
七七日(かけて49だから)とするっていうことを初めて知った。

28日は法事だった。

ばあちゃんが死んでもう1ヶ月半たったのだ。
相変わらず家の中は静かだ。

法事というのはいろいろ面倒で、この一週間両親はあれやこれやで忙しく、
イライラしてお互いに当たり合いケンカばかりだった。

ばあちゃんはやっとじいちゃんのお骨の隣に落ちついた。

強力な雨女のばあちゃん、やはり雨を連れてきたね。
前の晩まで天気予報は悪くなかったのに。

最近私は自分の時間を楽しむ余裕ができ心は穏やかだ。

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そして最後の日  

その日は仕事が終わって、ちょっと買い物をしてから病院へ向かった。
病室に入るとばあちゃんはひとりで頑張っていた。

いつもどおり耳元で「ばあちゃん、来たよ、」と話しかける。
そして足をさすってあげようと毛布をめくった。

指先が紫色になっていた。
紫というより黒だったかもしれない。
よく見るとふくらはぎまで色が変わっていた。
思わず声が出てしまった。酸素が十分体にまわっていないんだろう。
かわいそうに、とさすってあげたらばあちゃんの目がパッチリと開いた。
びっくりした。入院中こんなに大きく目を開けたところを見たことがなかった。
うれしかった。と同時にちょっと気になった。

いったん家に帰り昼間付き添っていた叔母に電話した。
状態が安定してるようなので泊まりはせず夕方帰ったのだそうだ。
叔母はこのところずっと付き添っていたし、気にかかったのもあるので
「今日は私が泊まるよ。」と言っておいた。

泊まる用意をし、9時に病院へ。
付添い用ベッドに横になりDVDを見たりして過ごした。

10時半頃、スッと看護師さんが入ってきた。ばあちゃんの様子を診ている。
離れたナースステーションで脈や心電図を見れるようになっているのだが、
どうもおかしいので見に来たようだ。「これは…ちょっと…」とか言っている。

「家族の方をお呼びしたほうがいいかもしれません」

ばあちゃんの様子を見てみると、さっきまで変わった様子はなかったのに、呼吸が荒い。
私は自分の脈が速くなるのがわかった。
そして地に足が付いていないような、フワフワした変な感じがした。

慌てて両親に電話をし、近くにいる親類を呼んでもらう。

ばあちゃんのそばで手を握ると、目が開いた。見ている。
「ばあちゃん、頑張って!みんなもうすぐ来るから!」と繰り返す。

みんなが来るまでの時間がとてもとても長く感じた。

11時過ぎて姉、叔母、両親と次々やってきた。みな息をのんで見守っている。
ばあちゃんはこれが最後と分かっているのか、目をしっかり開けて皆の顔を見ている。

そして、11時50分、
「あぁぁ…」と何か言いたげな声をばあちゃんは出した。
そして首をひねって私のほうを見て、大きく一回息を吸って、

ゆっくり、止まった。

もう次の呼吸はいつまで待っても始まらなかった。

私は言葉にならない何かを叫んだ。
首を大きく振った。拒否するように。
息をしてくれないばあちゃんを受け入れることができなかった。

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ふたりで銭湯に行ったね。階段が多くて嫌だと言ってたけど、
湯船に浸かっている時の顔、気持ち良さそうだったなぁ。

昨秋、私の新しく買った来たばっかりのジムニーの助手席に、
一番最初に乗ったのはばあちゃんだったね。
「乗りたい」なんて言うからびっくりしたよ。

駆除してもらった蜂の巣の幼虫が美味そうだと言ったり
私のサーフボードを「ふね」と呼んだり
モンブランを私の分まで食べたいと言ったり。


わがままで、口が悪くて、意地悪で、嫌いだった。
好奇心があってひょうきんで、働き者で、私のことを理解してくれていて、好きだった。

さようなら。
ばあちゃん。

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