浮遊

海に浮かび雪に遊び岩にはりつく、ものづくり人間のまいにち

4/22 涙雨が降った日  


今週も山梨へ。

渓谷にも春は確実に来ていて、上の駐車場の桜は満開だった。
いい季節が来たね。

朝、集合場所には城ヶ崎で会っていたメンバー勢ぞろいだった。
皆それぞれの岩場へ散ってゆく。


自分はKNさんとコブラの岩の「バイパス」5.10cをアップでやることに。
Hiroさんたちを案内したのでちょうどよかった。
写真では真ん中のあたりまでを「バイパス」、上までを「カサンドラ・クロス」と設定されている。

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いつもいつもこのルートの真ん中あたりのオフフィンガーに悩まされていたんだけれど
このときはすんなりと突破できてついに本当の意味でアップになった。
これは自分の中でかなりの進歩。シンハンド~オフフィンガーが上達したのかな、うれしい。


次に近くのゾンビルーフ(仮)へ。

この「ゾンビルーフ」、こうへいさんが見つけたもの。
かなりの傾斜で、たぶん130度くらいはありそう。

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KNさんが下から偵察がてら登る。
とっても難しそう。。。

そしてまだ安定していないので粒子がポロポロと落ちてくる。
でもこの傾斜とところどころピンポイントできまるジャム、そしてホールド。
短いのもあって不可能ではなさそうだけれど、一筋縄ではいかないだろう。
私はいいスタンスから足が切れてしまい厳しい。

それでもエイド混じりでジャミングの感じとホールドを確認するために下から登った。
上部はまだ掃除が必要で、抜けずにカムダウンした。
それだけでもかなりの強度。

KNさんのビレイをしながら二人であーだこーだとムーブを考える。
自分は全然歯が立たないけど、たのしい。


ここは見晴らしもよくてポカポカしていて、居心地がいい。のんびりした後移動。

上の駐車場では「ほうとう祭」?をやっていた。
いろんなお店の個性あるほうとうを少しづつ食べることが出来る。
自分は用意したお昼があったので食べなかったけど、
KNさんは「お金を落として貢献していかないと」とチケットを買って食べていました。
うむ、見習わないと。

そして、センチュリーへ向かった。




アプローチの途中、上から叫び声が聞こえた。

SJさんの雄叫びだった。
そう、ついに、登ったのだった。

急いで岩まで駆け上がり、祝辞を述べる。
SJさんは泣いてた。

何年もかけて、やっと実った苦労だ。
自分には想像も及ばないくらい色々な想いがあるのだろう。当然だ。

その後、自分も1回だけリード。
屈曲後のガバまでテンションはなかったものの、先週のような力はなぜか沸いて来なかった。
まだまだ。


岩を後にする時、同じように苦労して苦労して登ったロジャーさんと写真を撮る二人の姿。

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握手しているところを見て、泣きそうになった。

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最後に振り返ってセンチュリーを見上げていたSJさんの表情、忘れられません。



山から下りていく峠道、雨がザザーっと降った。
吉田さんの涙雨だよ。ロジャーさんが言った。




そしてこの日も丸亀製麺にて夕食。湯呑みに入ったお茶で乾杯。
動画を見せてもらったり、吉田さんとの思い出を話す時間はかけがえのないものだった。

この日のことは自分の中で繰り返し思い出して奮い立たせることだろう。

SJさん、本当におめでとうございます。


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4/15 山梨にて  

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帰ってきました。

甲府盆地を見下ろす花崗岩の地。

あー、やっぱりなんともいえない、この空気。しっくり来る感じ。
山の桜は標高で開花にばらつきが。ヤマツツジはそこらで咲いている。

駐車場でボルダーマットを広げ、ストレッチしながら皆を待つ。
この日はKNさん、510さん、ロジャーさんと。

四人で木がわずかに芽吹く山を歩く。
枝の隙間から山肌がよく観察できる。葉がないからだ。

すっきりして日がよくあたり、太陽が出ていると汗ばむくらい。

こちらのエリアは久しぶりだ。
ボルダーもやりたいものがたくさんある。

基部に到着して、まずはKNさんと短いワイドでアップ。
左さしと右さしだと登りにくさがかなり違う。

のんびり休憩の後、510さんがアップで登っていた「ブルーマンタ」(5.11b?)を。
ボルトルートは久しぶり。

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ボルトは4つ。個性的なライン。510さんによると★★、面白いルートだったと。
そうか、とワクワク、そして緊張しつつとりつく。
核心でかなり逡巡。行ったりきたりを繰り返す。。。ビレイヤーのKNさんごめんなさい。
覚悟を決めてえいっと突破、なんとか一撃。

終わってみれば、楽しかった、って言えるけどやっぱり怖いな(笑



ロジャーさんと510さんは荷物置いたところにあった短いけどピリッと難しそうなTR課題をやっていた。

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そして次に奥の「アイブリフェイス」5.12c?に果敢に挑戦する510さん。
このルート、とてもしびれる。長くて堂々としていて。

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「アイブリ」って何かと思ったら、魚(鰤)のことなんだって。
調べてみると黒い模様が入った体をしていた。

確かにルートの上部には二匹の魚が泳いでいるように見える!




そうこうしているうちに、大気の状態が不安定なためにパラパラと雨。
携帯で雨雲レーダーを見るとこちらにかかってきそう。
でも、こういうときって局地的で運みたいなもの。
空はそこまで暗くないため、自分だけセンチュリーへ移動することにした。

松さんとSJさんがいらっしゃったセンチュリー、到着は15時過ぎていた。

今日は一本だけリードできればと思っていた。
でも、あの強度にやはりというか当然、ビクビクおびえていた。
秋から触っていなくてまともにリードなんて出来るのだろうか。

でもその反面、冬の間に登った成果がどれくらいのものなのか試すのが楽しみでもあった。
成長しているのか、それとも。

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結果、体はこのフィンガークラックを覚えていて、よく動いてくれた。
初めて屈曲より先のガバまでテンションせずに行けたのだ。

うれしかった。ほんの少しだけ、いつか自分にも登れるのかもと思えた。



次に登ったSJさんのトライには鳥肌が立った。。
惜しいトライでした。
夕暮れ近くまで頑張るおふたり。クライマーは松さん。

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帰りにおなじみ丸亀製麺。
ロジャーさんとSJさんと三人でいつものようにクライミング談議。
涙が出るほど笑った。
なんだかこの時間がめちゃくちゃ嬉しかった。



家へ向かう車の中で、ipodから吉田拓郎が流れた。
不意をつかれて、ぶわっと涙が出た。

ヨシーダさん。拓郎が好きだった。

もう、あのひとはいないんだ。



いままで実感がなかった。
今日あの岩場へ行って、あの人がそこに居たという痕跡を目にしその魂を感じた。
そしていなくなった今も私たちはここへ来る。

変わったこと、変わらないこと。

急に現実が迫ってきたのだった。


自分がやることはただひとつ。
自分のクライミングをすること。




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4/2 浮山橋  


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この日、ロジャーさんが「スコーピオン」を登った。

私がスキーと城ヶ崎でのクライミング半々になっていたその間、ずっと挑戦されていた。

510さんが浮山橋でのクライミングを希望されて、それきっかけでやることになったとか。

転機となるルートとの出会いって、予期せずだったりする。
私の場合はマルチに行った先の隣にあった。「ラブ・イズ・イージー」だった。

転機となる理由は人それぞれだと思う。
・グレード
・サイズ
・得意不得意
・ルートの雰囲気、環境
・パートナー
など。。。

「ラブ・イズ・イージー」はアプローチに時間がかかり2P目にある。
その露出感、緊張感。そして苦手意識、パートナーの協力が不可欠。
そんなこんなで乗り越えなければならない要素が詰め込まれていた。

ロジャーさんのこの日のブログには、
「スコーピオン」はあらゆる方向に刺激を受け自分を活性してくれた、とあった。

自分もそういうルートに出会いたい。
欲を言えばルートでなくても、波でも雪山の斜面でもいい。一生出会い続けたい。

成長させてくれるもの、それは人生の宝なのかもな。


本当におめでとうございました!


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この日は下田は多々戸浜で波乗りのあと、駆けつけた。
前日はけっこうな雨だったので岩が乾くか心配だったのだけれど
昼前くらいからとてもいい天気になりコンディションも上々だった。

そしてもうひとつ素晴らしい成果。
Iさんがアストロの「炎のメリーゴーランド」をRP。
自分の周りには本当に強くて尊敬できるクライマーがたくさんいて、刺激をいつもいただいている。

3時間のサーフィンで疲れてはいたけれどスコーピオンの回収を2回、させてもらった。
ただぶら下がるのではなく、何かひとつでもこれからにつながることが出来たら、という気持ちで。

前回は出来なかった前半の足フックができたのがとてもよかった。
そして3回目にしてようやく少し怖さがなくなったのも。

ありがとうございました、お疲れ様でした。

帰りに寄った温泉が最高でした。

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3/25 浮山橋とアストロドーム  


三宅島から戻ってきて、すっかりクライミングモード。

寒さが戻っている雪山で楽しんでいる仲間もいっぱいいるけれど、
お金をセーブするためもあり遠出はやめ。

天気がいいのはこの土曜日だけ、
そしてロジャーさんのスコーピオンのRPが近いとのことで応援に。
それと、1回でいいから回収をやってみたかったので。

ロジャーさんはIさんの「炎のメリーゴーランド」のビレイを頼まれているということで
アストロと浮山を行ったりきたりしていた。

自分はアストロドームに行ったことがない。
なかなか見ることができない「炎の~」トライ。この機会にとIさんのクライミングを拝見しに行った。

初めて行ったアストロドームは、なんとも厳かな雰囲気だった。
上から下りていくと丸く落ち込んだ地形にアーチがかかっていて、浮山の明るい感じとは対照的だった。

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何より首が痛くなるんじゃないかというほどの見上げると見事なルーフ。


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いったいどれがなんと言うルートなのか全くわからなかった。
トポで調べればいいのだろうけれど、今の自分には別次元過ぎてそんな気にもならなかった。

そんな中、気持ちを高めるIさん。どうやらもう少しで登れそう、というところらしい。
そのクライミングをずっと見ていた。
なんて長く、そしてテクニカルなルートなんだろう。。

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最後の核心はランジ。
信じられなかった、あんなに時間をかけて登った場所で飛ばなければならないなんて。
惜しくも完登は逃してしまったけれど、きっと近いうちに登れるだろうなという予感がする。
頑張ってください!

回収の様子もずっと観察させていただいた。とても勉強になった。


浮山に戻り、今度はロジャーさんのスコーピオン。
午前中のトライでも惜しいところまで行っていたということで、期待。

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ガバをとった!

そして終了点クリップまで少しのトラバースというところで、パンプしてテンション。
とてもとても惜しかった。

終了点間際で落ちるのは結構あるとのこと。
最後の最後まで大変なルートなんだな。

意を決して、フォロー回収を申し出た。

はじめてあんなに3Dなルートを触った。いったいどこに進むのかわからなくなる。
回収だから都合よくエイドして難しいムーブをすっ飛ばしてしまったけれど
それでもとても大変なことは体で感じた。

足を突っ込んでさかさまになりコウモリのようにレストするのもやってみた!

最近RPしたというTNKさんから、女性は登りやすいかもですよー、と聞いた。
たしかにジャムはそこまで難しくない。きまるし。
だけどあのルーフの中での動きに対応できるかってところだよな。。
自分にはまだまだまだまだ足りてない。

とにかくあの3Dの感覚に慣れるまではたくさん回収作業をすることか。

いつのシーズンになるかわからないけれど、自信が少しついたらやってみたいのだ。

頑張ろう。

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3/21 三宅島トリップ4日目  


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三宅島の滞在もこの日が最後。
朝から風と雨。ちょっと寒い。猫もスチロール箱の中に詰まって暖を取っていた。

ジョギングが出来なかったので部屋の中でヨガ。
さすがに3日間の疲れが出てきてる。しっかり伸ばしておこう。

宿のかたは昨晩、遅くまでご友人の方々と食堂で楽しそうに宴会をしていらした。
満室になるほどのたくさんのお客が帰ってホッとしたんだろうな。
朝は寝坊しちゃったんだって!笑


食後のお茶をいただきながら、しばらくおかみさんと歓談。
9時を過ぎて、そろそろかな、と沖山さんのお店へ。


美味しいコーヒーを頂きながら、島でのクライミングのこれからについてを語り合う。
その間も地元の方々がお店を訪れてきて、おしゃべりしつつの楽しそうなコーヒータイムを過ごしている。
とてもゆったりした時間。本当に居心地のよいお店です。

こちらの書棚に、亡くなった磯川暁さんの追悼集が置いてあった。
食い入るように読んだ。
松川のボルダー・三角岩を登る姿や、
今通っている城ヶ崎の浮山橋スコーピオンのトライのことも載っていた。

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こんなに精力的に活動している若い人が亡くなるのは、辛いことだね。
改めてPO壁を発見し開拓を始めた磯川さんと菊池さんに感謝を覚える。


そうそう、自分のアトリエに眠っていたこのガラスのイカのキャスト、沖倉商店さんに置いてもらえることに。
うちで人目に触れずにいるより、海の見えるこのCAFEでたくさんの人に見てもらえたほうがいい。
マッコウクジラの置き物のそばにいるみたいですので、訪れた際には愛でてやってください。

無題



Tシャツも買ったし、根っこがはえてしまう前に島のレクリエーションセンターの壁に行きますか!
ここは平日は11時からなので、船が出る少しの時間になってしまうけれどせっかくなのでルートの壁をやりに。

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素晴らしい高さ!
アップの後このかぶり壁の一番グレードが低い11cのルートを登りました。
登っても登ってもまだまだある、そんな感じ。普段のトレーニングで登っている壁の1.5倍くらいに思えた。
わずか1時間半くらいの時間でしたが、STさんとふたりで貸切。
満喫しました。最後に室井トキオさんのルートもトライ、面白かったなぁ。



急ぎ足で薄木荘に戻り、お土産にとれたての明日葉をいただき港まで送ってもらう。
今回も大変お世話になりました。おかげさまで快適な生活でした。


錆ヶ浜の港には島の赴任が終わり離れる警察官の方との別れを惜しむ人々でいっぱい。
なんか毎年こんな風景を見ているな。
さすがにこの日は強風の雨模様だったので紙テープはやっていませんでしたね。
旗を持っている人たちの必死さ加減が風の強さを物語っているのがまた、いいね。

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蛍の光のBGMとともに出港。

ラウンジにて乾杯して飲み始めたものの、外洋に出たとたんぐらぐら揺れ始める船。
私は揺れにはかなり弱いみたいであっという間に気持ち悪くなり、寝るしかなくなった。
幸い横になるとだいぶマシだったので、東京湾に近くなって波とうねりが小さくなるまでずっと寝ていた。

到着した竹芝は雨。
平日なので帰宅ラッシュの時間、毎年なので学習して最後部車両に乗り込む。
重い荷物はガラガラで引きずり、軽い衣類などをザックに入れたことでだいぶ楽になった。
旅の知恵ですな。

帰宅は22時過ぎだった。
夢みたいな島でのクライミングが終わっちゃった。

あぁ、楽しかった。また絶対行く!

おわり。

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